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がん治療中の80代男性が原動機付自転車を運転中に自動車に衝突し左腓骨骨幹部骨折、外傷性頚髄損傷を負って入院治療中、治療中(事故から5ヶ月後)に亡くなった事案で、相手方が保険会社からの提示額80万円であったところ、推定余命を認めた上で慰謝料・逸失利益を算定し、約350万円に増額した事例

解決事例-福岡・天神の交通事故に詳しい弁護士-

事故と障害の内容

 ご依頼者様の夫(80代男性)が原動機付自転車を運転中、左側道路から突然右折してきた自動車に衝突され、夫は「左腓骨骨幹部骨折、外傷性頚髄損傷」の傷害を負いました。

ご依頼の経緯

 夫は事故前からがん治療のため通院しており、日常は特に不自由もなく通常の生活を送っていました。事故当日もがん治療からの帰り道でした。事故に遭遇したため、本来は、自宅で生活しながら、通院によりがん治療を継続できたにもかかわらず、入院せざるを得なくなりました。予定していた時期に予定していた抗がん治療を受けることができませんでした。結局夫は、自宅に帰ることもできず事故から約5ヶ月後に亡くなりました。
 相手方保険会社は、夫が亡くなった後、約80万円(治療費を除く)の示談金を提示しました。ご依頼者様は、納得ができず当事務所に相談されました。適正な損害賠償を請求したいとのご意向からご依頼されました。

受任後の活動

1 ご依頼者の意向により速やかに訴訟提起しました。

  主な争点は、慰謝料と逸失利益でした。


 相手方保険会社は、約5ヶ月の入院治療に対して約100万円の慰謝料を提示しました。逸失利益は否定しました。なお、約5ヶ月の入院治療に対する慰謝料の一般的な裁判基準は約200万円です。
 当方は、次のとおり主張しました。
 夫は「左腓骨骨幹部骨折、外傷性頚髄損傷」を負っており、治療途中で亡くなってしまったのであり、症状固定後、後遺障害等級認定を受けていれば、相当程度の後遺障害が認定され、後遺障害慰謝料が認定された可能性が高かったと考えられました。
 専門医に相談し、夫は、医師から余命宣告を受けたことがなかったことなどから、本件事故に遭遇しなければ少なくとも2~3年は確実に生存できたと考えられました。それにもかかわらず、本件事故から約5ヶ月で亡くなってしまったことによる精神的苦痛に対する慰謝料を500万円と算定しました。逸失利益として、推定余命であった2年分を算定しました。
 相手方保険会社が争ったため、専門医に複数の意見書を作成頂くとともに各種統計資料を提出しました。さらに、法廷で証人として「交通事故による負の要素を差し引くと推定余命は1から2年と考えられる。」との証言を頂きました。
 その結果、裁判所は、「推定余命を1年程度として逸失利益を算定し、慰謝料増額を考慮した和解案を提示する。」と述べました。

結果

裁判所は、治療費等の既払金を除く損害として約400万円の損害額を認め、10%の過失相殺を適用して350万円の和解案を提示しました。
 双方とも裁判所の和解案を了承し、和解成立に至りました。

解決のポイント

交通事故により推定余命を縮めてしまったことによる慰謝料と逸失利益を求めるという難しい裁判でした。
ご依頼者様と繰り返し打ち合わせをするとともに、専門医と綿密に打ち合わせをして証言頂いたことにより、裁判所が推定余命を1年程度として逸失利益と慰謝料増額を認めました。
相手方保険会社の提示額は約100万円であったところ解決額が約350万円となりました。推定余命を認めた上での裁判所の判断は画期的なものでした。決して高額とは言えない金額ですが、ご依頼者様には非常に納得頂きました。

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