
事故と障害の内容
ご依頼者様(30代女性)は大型バイクを運転し、ツーリング仲間や友人らと合計7台の大型バイクで高速道路をグループ走行していました。
ところが、後方より、2台の大型バイク(A、B)が大幅に速度超過した上、ジグザグ運転をするなどの無謀運転を繰り返し、ご依頼者様たちのグループを追い越しました。その直後、その2台(A、B)が先行車両に追突する事故を起こしました。そして、急停止した車両を避けきれず、ご依頼者様が事故に巻き込まれました。非常に複雑な事故態様でした。ドライブレコーダー映像はありませんでした。
ご依頼者様は1年5ヶ月にもわたり手術、入退院を繰り返し、右脛腓骨骨折、右足関節拘縮、右膝関節拘縮、右膝複合靱帯損傷の症状が残存しました。自賠責保険にて、後遺障害等級9級相当と認定されました。
ご依頼の経緯
相手方は事故態様を全面的に否認して過失がないとして、賠償義務がないと主張していることでした。
ご依頼者様からご相談を受け、適正な賠償金を請求したいとのご意向でご依頼を受けました。
受任後の活動
相手方が過失を否認していることから、ご依頼者様と打ち合わせをし、ご依頼者様たちのグループを追い越していった1台目の大型バイクの運転手A、2台目の運転手Bを被告として訴訟を提起しました。
本件の主な争点は、①過失割合、②逸失利益でした。
①過失割合について
実況見分調書を取り寄せて確認したところ、ご依頼者様の言い分を記載したものと相手方(A、B)の言い分を記載したものが2通り存在し、事故態様が大幅に異なっていることが判明しました。
相手方が事故態様と過失割合を全面的に争っていたことから、実況見分調書の記載を精査し、ご依頼者様と一緒にツーリングに参加された方全員から事情を聴取し、事故状況を主張立証しました。
それでも相手方は過失を認めなかったため、証人尋問および本人尋問を通じて事故態様を立証しました。尋問により、各バイクに隊列の組み方、相手方(A,B)の走行経路・速度、危険な運転を継続したことが明らかになりました。
その結果、裁判所は、相手方に7割の過失を認めました。
②逸失利益について
相手方はご依頼者様に逸失利益が発生することを否認しました。
そこで、実際に残存している後遺障害の内容、後遺障害によりご依頼者様の生活に重大な支障が発生したことを具体的に主張立証しました。
その結果、裁判所は、ほぼ当方の主張のとおりの逸失利益を認定しました。
結果
裁判所は、ご依頼者様の損害を約3600万円であると認定し、過失割合3割分を控除して、約2500万円を認めました。
解決のポイント
本件は非常に複雑な事故態様であり、しかも、相手方が事故態様を全面的に争っていたことから、実況見分調書が有力な証拠とはなりませんでした。
そのため、ツーリングに参加した方から事情をお聞きし、最終的には、証人尋問・本人尋問により事故状況を明らかにしていきました。
その結果、相手方に7割の過失が認められました。
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