
事故と受傷の内容
被害者(30代男性、当時アルバイト)が自転車で車道の左端を走行していたところ、同車道を車で走行していた加害者が、突然道路左方の駐車場に向かって左折したため被害者に衝突しました。被害者は車の下敷きとなり亡くなりました。
ご依頼の経緯
被害者の相続人はご両親でした。ご両親は深い悲しみの中、賠償について相談に来られました。死亡事故であるにもかかわらず、加害者からのお詫びもなかったため、強い被害感情をお持ちでした。ご両親から加害者に対する損害賠償請求をしたいとの強いお気持ちを受けて受任しました。
受任後の活動
被害者が30代と若く、損害賠償額も高額になることが予想されました。
加害者からの謝罪はなく、相手方保険会社の対応も非常に遅かったため、訴訟を見据えて交渉を開始しました。
その後、ご両親と打ち合わせつつ、早期に訴訟を提起しました。
本件の主な争点は、①過失割合、②逸失利益でした。
それぞれの経過は以下のとおりです。
① 過失割合について
本件事故態様によると、判例タイムズによれば、被害者側にも10%の過失が認められる事案でした。
相手方保険会社は、10%の過失相殺を主張しました。
これに対し、本件事故は、加害者が著しい過失により本件事故を引き起こしたこと、被害者と衝突した後も衝突したと気づかずにアクセルを踏み続けたことなどを、加害車両に搭載されていたドライブレコーダーを分析して詳細に主張しました。
その結果、加害者の過失が100%と認定されました。
② 逸失利益について
事故当時、被害者はアルバイトでしたが、近々正社員として採用される予定であったこと、被害者は非常に勤勉な性格で将来の生活を真剣に考えていたことなどを立証しました。
その結果、逸失利益として約7000万円が認められました。
結果
ご両親の慰謝料を含めて総額約8300万円が認定されました。
解決のポイント
繰り返し打ち合わせを行い、関係者の協力を得るとともに、ドライブレコーダーを詳細に分析したことが、解決につながりました。
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