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60代女性後遺障害非該当事案で,提示額約45万円から約150万円に増額した事例

解決事例-福岡・天神の交通事故に詳しい弁護士-

事故と障害の内容

 ご依頼者様(60代女性・パート、家事従事者)は自転車を運転して、信号機による交通整理がされている交差点を対面青信号に従って直進しようとしたところ、右側道路から赤信号にもかかわらず交差点内に進行してきた自転車と衝突し、転倒しました。この事故により、ご依頼者様は、脳挫傷、外傷性くも膜下出血、急性硬膜下血腫、左側頭骨骨折、左外耳道出血、遅発性顔面神経麻痺という重大な傷害を負いました。

ご依頼の経緯

 事故後、頭部に負傷したことから、頭がぼーっとした感じや健忘症状が続き、医師から脳神経外科を受診するよう勧められました。しかし、ご依頼者様は、治療が長期化することを懸念し、受診を控えていました。
 相手方保険会社は、本件事故についてご依頼者様に50%の過失があると主張し、慰謝料約35万円及び休業損害約8万円を含む合計約45万円の示談案を提示しました。
 しかし、ご依頼者様は、納得がいかず、ご相談に来られました。現時点での証拠に基づいて適正な損害賠償を請求したいとのご意向により、ご依頼されました。

受任後の活動

 ご依頼を受け、速やかに訴訟を提起しました。
 主な争点は、①過失割合と②休業損害でした。

①過失割合について

 実況見分調書など、事故状況を客観的に明らかにできる証拠はありませんでした。
 相手方保険会社は、示談交渉段階では過失割合を50対50と主張していましたが、訴訟になると、双方ともに信号機は赤であったことを主張し、さらに自転車に明らかな損傷がなかったことを理由に衝突がなかったと主張して賠償義務を否定しました。
 当方は、ご依頼者様が事故直後に搬送された病院で「自分の信号は青色だった」と話していたことが診療録に記載されており、これは事故直後の供述として信用性が高いことを主張しました。本件事故は、自転車のタイヤとタイヤが衝突したため、損傷が発見されなかったことを主張しました。
 その結果、裁判所は、ご依頼者の過失割合を30%、相手方の70%と判断しました。 

②休業損害について

 相手方保険会社は、休業損害を否定しました。
 当方は、ご依頼者様が、自宅で料理をしようとしていたところコンロに鍋を置いたまま忘れてしまうことが2,3回続いたこと、洗濯をしたまま忘れてしまったことが続いたなどの事情を説明するとともに、リバミード行動記憶検査、WMSR記憶検査、WAISⅢ知能検査の結果を援用し、家事従事者としての休業損害が発生したことを主張しました。
 その結果、裁判所は、原告に休業損害が発生したことを認め、その金額を約50万円と算定しました。

結果

 裁判所は、ご依頼者様の損害を約220万円と算定し、過失相殺を適用した上で、相手方に約150万円の支払いを命じました。

解決のポイント

 当初相手方の提示が45万円であったところ、約150万円で解決しました。
 訴訟を通じて事故状況や治療内容を詳細に立証し、日常生活への影響を明確に示すことで、慰謝料や休業損害の適正な金額を引き出すことができました。過失割合も見直され、最終的にご依頼者様が納得のいく結果を得ることができました。

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