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50代男性が赤色で横断歩道中に死亡した事案で、相手方保険会社からの損害金提示が遅滞していたところ、訴訟提起して申告所得を上回る休業損害及び逸失利益を含む合計約5000万円が認められた事例

解決事例-福岡・天神の交通事故に詳しい弁護士-

事故と受傷の内容

 被害者(50代男性、運送業・自営)は、対面の歩行者信号が赤色の状態で横断歩道を歩行していたところ、左方から青色信号で走行してきた加害者の運転する車と衝突しました。被害者は、衝突による外傷性大動脈損傷および出血性ショックが原因で死亡しました。

ご依頼の経緯

 ご遺族は、奥様と被害者のご両親の3名でした。事故直後から、ご遺族3名よりご相談をいただき、今回の案件を引き受けました。

受任後の活動

 加害者が死亡事故を起こしたにもかかわらず反省する態度を示しませんでした。加害者の態度に連動するかのように加害者側保険会社の対応が極めて不誠実でした。そのため、ご遺族のお気持ちを尊重しながら打ち合わせを行い、早期に訴訟の準備を開始しました。
 本件の主な争点は、①事故態様と過失割合、②自営業者としての逸失利益の算定でした。

 ①事故態様と過失割合についての経過は以下のとおりでした。

  被害者が赤色信号で横断歩道を渡っていたため、判例タイムズによると、被害者の過失が70%、相手方の過失が30%が基本となります。
  しかし、実況見分調書や複数の目撃者のお話を聞いたところ、被害者は、赤色信号で横断を始めたものの、左方から走行してくる自動車に気づいて、1,2メートル進んだところで立ち止まったことがわかりました。そのため、相手方はそのまま車線内で直進していれば衝突は起きない状況でした。それにもかかわらず、相手方は、歩行者を認識したものの、制限速度を大幅に超過して走行を続け、運転操作を誤り、右にハンドルを切って反対車線走行したため、被害者に衝突したことがわかりました。
  このような事実について、目撃者の陳述書、準備書面、証人尋問を積み重ねて証明していきました。
  その結果、裁判所の判断では、過失割合は逆転し、被害者側の40%、加害者側の60%となりました。

 ② 逸失利益の認定についての経過は以下のとおりでした。

   被害者は大幅な節税をして税務申告をしていたため、被害者の事故前の申告所得額は100万円を下回るものでした。そのため、加害者側は、基礎収入を巡って厳しく争ってきました。
   そこで、ご遺族に協力いただき、被害者が取引先との間で交わした発注書、受注書などを丹念に分析してそろえていきました。その結果、口座に入金されていない取引についても認定され、平均賃金と同程度の収入があったと認定されました。その結果、逸失利益は約4000万円が認定されました。

結果

 最終的に、ご遺族の方に対して、合計で約5000万円および遅延損害金の支払いが確定しました。

解決のポイント

 死亡事故など重大事案で損害金が高額になることが予想される場合、相手方保険会社からの損害金の提示が遅くなる傾向にあります。そのような場合には、ご依頼者様と打ち合わせ、積極的に損害金を算定して請求する必要があります。
 この判決で、過失割合については、判例タイムズの基準をベースとしながらも実況見分調書を分析するとともに、目撃者から丁寧に事情をお聞きして、証人尋問により立証できたため、過失割合が逆転する結果となりました。
 基礎収入については、税務申告のみならず過去の資料を細かく分析したことが考慮された結果となりました。 

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